blog141

好きなものの備忘。

想いが沁みたWUG岩手感想

  f:id:yamasif:20181217225856j:plain

 Wake Up, Girls! FINAL TOUR - HOME - ~ PART Ⅱ FANTASIA岩手・盛岡公演に昼夜で参戦したので感想を残します。中々時間が取れず遅くなってしまった。前置きは飛ばして「■会場企画」辺りから見てください。

 

 

■盛岡旅行?記

 岩手公演でHOMEツアー初めての前乗りをした。ライブ翌日朝から仕事だったので、元々は日帰りも考えていたが、せっかく行くのだから少しでも岩手、盛岡に触れて帰りたかったのでそうすることにした。他のワグナーには仙台経由して遠征をしていた方もいたみたい。私は毎年夏に東北や北海道に旅行に行っていて(暑さから逃げる為)、去年などまさに花巻から仙台という旅路も歩いていた。勿論その時の私はワグナーのワの字も無かったわけなので、あらためてWake Up, Girls!の聖地であることを意識して仙台などに足を運んでみたいと思っている。

 

     f:id:yamasif:20181216095151j:plain

 前乗りして向かうは「盛楼閣」。規格外な肉厚と暴力的に柔らかいお肉の数々が絶品でした。新幹線でANNiの奥野さん回を聴いていたら盛岡冷麺の話題が出ており、スイカが入っててどうこうと話していた。それを食べたことが無かったのでやり取りにはピンとこなかったのだが、この日の冷麺には梨が入っていて謎は深まっただけだった。ただまぁ私は辛いのが食べられないので麺をひとすすりだけ頂くだけだったけども。こういうところで推し力が足りない。そして2軒目は語感がななみんに近いという理由で「なはん」という居酒屋へ。遠征の醍醐味のひとつである地酒をいろいろ堪能した。

 

 

    f:id:yamasif:20181216100814j:plain

 翌日は「福田パン」や、公演の合間に「直利庵」に行った。直利庵は、ライブ会場近くにあるということもあり、他にもワグナーがちらほら。せっかく盛岡に来たんだし、ということでわんこそばに挑戦して吐くまで食べました(文字通り)。わんこそばシステムは器と薬味(種類によって値段が違う)が用意され、そこにテーブル担当の店員さんが側に付き、そばが茹で上がる度に10~20杯を持ってきてくれるというものであった。私はななみん推しワグナーとそば料金の半分負担を争って勝負することに。やはり最初は楽しくて、器のそばを食べると、はやまる似のかわいい店員さんが「よいしょー」「そらどっこい」みたいな掛け声と共に私の器にそばを軽快に入れてくれる。序盤は出されたそばを瞬時にかきこみ「俺の胃袋は宇宙だ!」気分だったのだが、やはり胃袋というものは有限の産物に気付いてくるのが中盤。だんだんと表情は険しいものに。あのあたりから恐らく私は"食事は質派"の顔つきになっていたことだろう。そんな私の胃袋事情など知ったこっちゃ無いとそばの器を構えてこちらが食べ終わるのをまだかまだかと笑顔で待っている店員さん。ここまで来るとあのかわいい店員さんも悪魔の様に見えてきて、茹で上がりのそばを運んでくる足音が耳に入る度に背筋が凍り、震えが止まらなかった。80杯を過ぎた頃からもう限界で涙が出てきて、そばを食べては目を拭い、食べては拭いを繰り返した。盛岡まで来てなぜこんなにも苦しい思いをしているのだろうとさえ思ったしなんなら今でも思っている。もうやめよう、そう思った時にどこからか聞こえた、「かやたんが見てるぞ!」そんな誰かの発言にハッとしてそばを流し込んだ。これが推し力…!と思ったが10杯くらいしか持たなかった。こういうところで推し力が足りない。そしてかやたんが見てるならむしろ頑張らなくていいのではと気付いたのはこの記事を書いている時のこと。そして終焉というのはいつだって突然やってくるもの。胃袋に入らず喉や頬袋に貯めていたそばが口を破って解き放たれた。その様子はさながらライブの銀テを想起させるものであったという(ちゃんと掃除して帰ったんだからね><)。記録は108杯だった。やはり煩悩もそばも108までということだろう。ちなみに勝負も負けた。

 

     f:id:yamasif:20181216105218j:plain

 悪魔もとい店員さんと撮ってもらった"これはなに"な写真。わんこそば自体は美味しく、店員さんも明るく愛嬌満点で素敵な時間を過ごすことができました。また行きたい(50杯くらいを食べに)。

 お店からの帰り道は左脇腹が痛すぎて胃袋ってここにあるんだなと学びました。あの時脇腹をカッターで刺されていたら血じゃなくてそばが吹き出ていたことでしょう。幸いにも公演が始まる頃には全快していたので良かったです。もう無理はしない。しかしその後の公演で「わんこそば食べた人ー?」という奥野さんの問いかけに元気いっぱいに「はーい」と答えられたのでわんこそばやっといて良かったとは思った。そしてこうした岩手、盛岡の地に触れてから望んで良かったと思えたのがWUG岩手公演だった。

 

 

以下、セトリ等、残りのツアーのネタバレになる可能性があるので、今後参加予定の方は閲覧ご遠慮ください。

 

  

■会場企画

 会場毎の担当による企画パート。岩手公演は地元出身の奥野さんが担当する。今年3月ワグナーの心に強く刻みこまれたと聞くソロイベ。その再演を期待する者、はたまた恐れる者に溢れていたであろう岩手県民会館。しかしこの日奥野さんがステージで伝えたのはとてもまっすぐで、愛のこもった想いだった。それが彼女のやりたかったこと。そしてそれが私達の見たいもの。HOMEツアーというのはWUGちゃんとワグナーの最後の思い出作りの場なのだと改めて実感した。
 雨にも負けず、風にも負けず。宮沢賢治の有名な詩をなぞりながら行く先を語る。しかしなぞりながらも文章には奥野香耶がいた。そういう人に私は「なる」で文末を締める、「なりたい」ではなく。奥野さんらしい。こう、人の決意や意志に触れた時嬉しくなるというか応援したくなるというか、かやたん推しで良かった、そう思える彼女の魅力なのだ。続けてイーハトーヴシンガーズとの合唱『イーハトーヴの風』を披露。地元・岩手を感じてもらいたい、そんな想いでの選曲。私は聴いたことはなかったが地元では有名な曲とのこと。故郷を思い返せる曲があるのは素敵なことだと思う。"イーハトーヴ"という単語をどこかで聞いたことあるような気もするがその時は思い出せなかった。帰宅してから去年の岩手旅行の写真を見たらなるほどと合点がいった。

 

      f:id:yamasif:20181216203649j:plain
宮沢賢治記念館、山猫屋。子供の頃よく見ていた「注文の多い料理店」という絵本が好きで、今でもこの絵本だけは手元にある。


 夜の部ではメンバー毎のボイスメッセージが流れる。即興で撮ったのが分かる、素直な感情が現われたり、青山さんが「love you」で結んで小笑いが起こったりした(勿論使い方は正しい)。そんなところでラストの奥野さんのメッセージの始まりは「こんばんわぐ、そう言えるのも後数ヶ月。そんなことを考えてしまいます」と寂しさを感じさせるものだった。そうして披露されたのは『旅立ちの時』。曲名を聴いて、素敵な選曲をするなぁと思った、私はこの曲と詞が大好きだ。有名な曲なので奥野さんの想いにジンと来た方も多かったのではと思います。

夢をつかむ者たちよ 君だけの花を咲かせよう

約束の時、旅立ちの時を4ヶ月後に控える者たちへの激励。勿論それは奥野さん自身へのものでもあったのだろう。イーハトーヴの風で岩手という故郷への想いを伝え、旅立ちの時でWake Up, Girls!への想いを伝えたのだと感じた。来月から始まるKADODEやラストの仙台公演、これらだけが彼女たちの集大成ではなく、市原から行われてきた全ての公演がお当番のWUGちゃんにとっての1番の内のひとつだったんななぁと実感した。

 

 そして『言の葉 青葉』。夜の部ではペンライトをWUGの緑にして欲しいと、そして落ちサビから皆で歌うことを呼びかけた奥野さん。披露後「この部分を皆で歌いたいとずっと思っていた」と言った。1年前のWUGフェス2017、言の葉 青葉の落ちサビで最後方の私の席まで突き刺さるまゆしぃの歌声に驚き、魅了されたのを思い出す。上田麗奈さん目当てで行った幕張があったからこそ私はこの日岩手にいたと言ってもいい。そんな私の中でも思い入れのあるこの曲のこの箇所に、奥野さんはまた別の想いを持っていたことに驚いたし、そう想う理由がとても嬉しい。夜公演、間奏で目に涙を浮かべながらも必死に堪えて合唱を促した時の姿が立派でかっこよかった。一生の思い出になる時間だった。奥野香耶さんにはありったけの労いと感謝を伝えたい。

 

少女交響曲

 私は岸和田以降「なぜラストは少女交響曲なんだ?」とずっと考えていた。PartⅠでは『7 Senses』があった。7人の個性を掲げ、約束の地・約束の時でと歌を締めた、HOMEツアーの幕開けに相応しい素晴らしい選曲だったと思う。一方で少女交響曲の意味は自分はいまいち汲み取れていなかったというのが正直なところ。しかしそこは少女交響曲。曲単体としてラストを任せるに足る説得力がある。そしてこの日、夜公演の少女交響曲はとんでもなかった。曲が始まる前に吉岡さんは、今日の少女交響曲は「緑一色にして欲しい」と言った。緑とはWUGの色であり、少女交響曲の色であり、そしてこの素敵な公演を作り上げた功労者の奥野さんの色。奥野さんの想いに触れたことで、奥野さんへの想いが熱量に変わる。少女交響曲というただでさえ化物曲であるというのにこの日は一段と凄まじく、2000人を入れた箱が一体となって暴れ回った。1番Bメロ「このままじゃ(告っちゃえちゃえちゃちゃえ!)」のコールのところ、イヤモニを外し、「もっと来い」と言わんばかりに手で煽り立てる演者がいました。そう、ワグナーの声聴くの好き好きウーマンの吉岡茉祐さんです。そんな煽られちゃこちとらワグナーも小さく収まったままでいられることもなく、声を張り上げ、演者の歌声に負けないくらいになるわけです。そんなぶつかり合いの中、(私が見た限りで)イヤモニを外したまま歌い抜いたまゆしぃがかっこよすぎた。そんな熱い時間を経たことで少女交響曲の意味というのも微かに理解できたようにも思う、あれは応援歌なのではと。続く(続く)。

 

■ハートライン

そっぽ向いちゃう日もある

うつむく日もある \あいちゃーん/(2番A)

は結構コール入ってるのに

受け止めてくれること

嬉しくなること \かやたーん/ (1番A)

はあまり入ってないのは何でですか、私気になります!それはそうと、この日も岸和田同様によぴまゆコールがDメロに鳴り響く。あの被せコール、あの2人だから気兼ねなく入れられるっていうのはあるのかもしれない、というのを他のワグナーと話していた。あの2人だから被せてもそれを上回って歌ってくれるのだと。そしてこれが少女交響曲にも繋がる。また、そのDメロではよっぴーが歌ってる最中にそれを横でジッと見つめていたまゆしい。次に自分に降りかかるメンバーコールへの照れ隠しで何かしたかったのだろうか(かわいいかよ)。その後のMCで「ずっと見てるのに全然こっち見てくれない…」と詰め寄り「あれは背中合わせなのがエモいんじゃん!」と返すなどのやり取りしてるまゆよぴを満面オタクスマイルで見ていました。背中合わせで歌う、戦友ですね。

 

Beyond the Bottom

 この日もBtBは最高にBtBだった。Dメロ、これまで私があまり意識していなかっただけかもしれないが、この日は山下さんの笑顔がとても印象的であった。

未来の永遠さに僕達は苦しむ
幸せに裏切られた君を 抱きしめる

続劇場版では昔からの夢であった光塚ではなくWUGを選択した久海菜々美がいた。そんな背景があって、このパートはななみんに託されたのだと思うが、このパートを笑顔で歌うというのがWUGを選択したことを肯定しているようでとても良い。そしてこの日の山下さんは涙腺にきているようで、青山さんのエモいMCに泣きそうになって後ろに振り向くなどの様子が度々見られた。他コンテンツでツイッタートレンドも賑わすほど大舞台で活躍を見せていても、やはりWUGへの想いは彼女の中で強いものなのだと感じる。それもまた過去の肯定であり、グッとくるものがある。

 岸和田が終わってからというものBtBを聴きすぎている自分がいる。なんなんだろうかこの曲は。良すぎる。BtBの凄みを十分に感じるには私のワグナー歴はとても短く、BtBはこうこうでこうだと言えるようになるには残された時間が余りにも短すぎる。

 

Jewelry Wonderland

 立派な推しの姿だと思ったので書きますが、昼公演では珍しく歌詞を飛ばしてしまい思わず顔に手を当てた奥野さん。しかしそのミスを挽回するかのように歌われた落ちサビに彼女の底力を感じる。そして続く青山さんもいつも以上に力が入ってるかのような歌声で、そこに彼女の意識を見る。俺の推しとWUGのリーダーがめちゃくちゃかっこよかった。これだからWake Up, Girls!ってやつは最高なんですよね。「FANTASIA」の常設曲はどのメンバーも落ちサビを担当する曲があるのが良い。そんな中でも、推しであるというのも勿論だけど、しっとりしながらも伸びのある歌声を聴けるJWの落ちサビが最高に好き。

 「ワグナーJewelry Wonderland高科里佳パートを吉岡茉祐さんがどう歌っているかを現場で確認して定期的に上田麗奈さんにお手紙で共有する部」の私ですが、岩手では岸和田の時と比べてまた違う良さみが出ていたと感じた。岸和田ではメロの上品な盛り上がりをそのままにサビに繋げる「置く」ような歌い方であった。対してこの日は高科里佳の様な元気さに幾分振っていたように感じるもので、サビ前に「跳ねる」ようであった。面白い、ここまで歌い方を変えてくるとは思わなかった。吉岡さんもきっとこの部分を意識して楽しんでいるに違いないという確信を得て、今回の部活動報告としたい。

 

■outlander rhapsody

 7人の勇者に8人目として加勢するべくWake Up, Power!を送りはしたものの何かが物足りない、もう少し力になりたいと誰もが思っていたであろう、あの時間。そんな時にどこからともなく聴こえた「Wake Up, Girls!」コール。耳に入った瞬間私の心の中にスッと溶け込みすぐにそのコールを口で追うことができた。あの一瞬で起こった感覚が最高に気持ち良かった。なんというか、まさに筆舌に尽くし難い。入れて下さった方には感謝しかない。7GWやタチアガレ!、少女交響曲、そしてoutlander rhapsody。「Wake Up, Girls!」コールはいつだって最高だ。

 そしてこのWUGコールを耳にしたまゆしぃの触れ方が「また新しいコールがあったようで」と、笑顔とたった一言の反応で済ませるのがかっこよくて笑った。その日はそんな吉岡さんのMCが印象的だった。「公演を重ねて、楽しさが増していって、こうなったら最後どうなるのか…!ワクワクが止まらない!(主旨)、この時の会心の笑顔が忘れられない。「Start It Up,」ではPolaris7 Sensesに物語が付き、熱量の更新を肌で感じた。「FANTASIA」でも出来上がっていく過程を見て、そしてそれが横須賀でどうなるのかという期待になっていく。そして「KADODE」では何が起こるのか。ワクワクが止まらない、好きすぎる表現だ。

 

 岸和田から2ヶ月弱空き、私達もWUGちゃんも寂しさを感じてしまった公演であった。実際のところ7月から始まったHOMEツアーも残り20公演。公演数の折返しは来月の熊本公演だが、期間で言えばこの岩手公演が折り返しにあたる。ワクワクも大きくなる一方で寂しさも募っていくかもしれない。コップに入った水ではないが、まだ20公演もあるのか、もう20公演しかないのか、捉え方は人それぞれだろう。ただ私はこの岩手公演で、彼女たちにとってそれぞれの公演がたくさんの想いを込めて作られているものであることを再認識した。公演への想いを少しでも汲み取って、楽しむためにはどうすれば良いかを考えながら残りの公演に参戦していこうと思う。以上。

 

web拍手 by FC2