宮城旅行記 (気仙沼/石巻/仙台)
3月末の土日を利用して宮城県へ1泊2日の旅行に行ってきたので感想を残します。お目当てはもちろんWake Up, Girls!の聖地巡礼。そして宮城の美味しいものも。
旅行に行ってみての結果、思ったのは「行って良かった」ということ。これに尽きます。私にとっての東北に「WUG」という意味を付け加えてくれたWake Up, Girls!に感謝したいです。それでは久々の旅行記です。
1日目
東北は近いこともあって旅行には何度か行っていた。ならせば2年に1度くらい。ただWUGを好きになってから、ワグナーになってから訪れるのはライブ遠征を除いては初めて。だからWUGを意識しての宮城旅行は新鮮で、とても楽しみだった。
黄色推しワグナーと合流してから車で北上。購入し立てのWUG大宮公演の円盤を流したり、わぐばん観たり。
気仙沼
寿し処 大政
最初の地は気仙沼。仙台の下に気仙沼があるとばかり思っていたので、いざ道を調べた時に仙台よりも遠いことに驚いた。仙台から測ると盛岡と気仙沼がそこまで変わらないという事実。
車で走っていたらナビがわんこそばの画像と共に「岩手県に入りました」のアナウンスをしてくれた。道を間違えたのかと思ったが、気仙沼が岩手と近い為か、ある程度の距離は岩手を通るルートで正しかったらしい。推しの奥野香耶さんの地元が岩手なので、そんなふいのかやたん要素を嬉しく思った。
まずは「寿し処 大政」さん。奥野さんが舞台めぐりのPR動画で訪れていたお店。
着丼。コリッコリの歯ごたえは未知の領域レベルで、何と言ってもそれを増し増しにするのが圧倒的肉厚。これにはひれ伏すしかありませんでした。ひれだけに。うん。
この前居酒屋でふかひれを食べる機会があったのだけども、「まぁこんなもんか」って感想しか浮かばなかったんですよね。珍味だから高いだけかなって。けどこのふかひれ丼は高価であり、そして美味しかった。店主の方曰く「普通だったら2万する」レベルのものらしい。口に運べばそれも頷ける。しかしそれをこの値段で出せているのは、企業努力と気仙沼という名産地だからこそなのだろう。
あの感触が忘れられないので、また推し力(お金)を貯めて食べに行きたいと思う。
左が一緒に付いてくるアラ汁、緑茶、お漬物。右は友人が頼んでいた特上寿し(ウニが美味しかったらしく感動していた)。 こうして旅行初手からこんなにも豪勢なものにありつくことができた。店主の方も温かく、アットホームな感じだったのが有り難い。
お店を出たら雪が本格的に降り始めていた。風も吹いてきたので、車に積んでいたウインドブレーカーに久々に袖を通すことにした。何かあったら着ようと思って持ってきていた。言い換えれば何かと理由付けて久々に自分は着たがっていたわけです。そうして次の目的地へ向かう。
気仙沼港
舗装された道に新し目の建物、開けた土地に「震災があった」ことを実感した。WUGとしては無印9話「ここで生きる」の舞台であり、菊間夏夜の生まれ故郷。
WUGが合宿で泊まった宿「大鍋屋」さん。新装工事も終わって今では泊まれるようだった。次の機会にはぜひお世話になりたい。
作中、ランニングで真夢と夏夜が足を止めた「五十鈴神社」前。
夏夜の回想内で映った境内。今回の旅路で唯一他のワグナーと話したのがこの五十鈴神社だった。聞いてみれば同郷だったので驚いた。
神社は高台にある。そこからの景色は気仙沼港を見渡すことができる。
海へ降りられる階段があったので向かった。気仙沼の海と東北の雪、感傷的な気持ちになるには十分な景色だった。
気仙沼でWUG聖地というと、やはり真夢と夏夜が過去を打ち明けあったベンチ、それを見守る5人が隠れた碑(港町ブルース碑)が印象強い。しかしこの日、私はどちらも見られなかった。今の気仙沼港は護岸工事をしているからだ。防波堤のかさ上げが進められており、今は付近に立ち入ることもできず、碑も一時撤去されているらしい*1。
ある建物の壁面には線が引かれ「OOTSUNAMI LINE 6.7m」と書かれていた。堤防をかさ上げするのはあの日のことを踏まえ、いつかくるかもしれないその日に備えているのだろう。それは気仙沼を守るためであり、さらには気仙沼にいるために。大鍋屋さんだってまた気仙沼に観光客を招こうと新装したのだろう。「ここで生きる」、気仙沼の景色にそんな意志を感じた。
声優ユニットWake Up, Girls!が解散発表した頃に「WUGの解散は東北の復興だ」という記事を見かけた。文意を理解はできつつも、当時の自分の心情としては納得したくないなという思いも正直なところあった。けど今では幾分でも頷けるように思った。それはやはりあの時からは確実にWUGの解散に対してしっかりと向き合えるようになったからだ。
復興の象徴が無くなることは復興が廃ったことを必ずしも意味していない。一時的であっても、港町ブルース碑が無くなったのは前向きな一歩があったからだった。
WUGもそうだろう。ユニットが解散して個人へ形は変わっても変わらない想いがある。SSAでのファイナルライブでも奥野さんが代表してそう言っていた。私達もそうであるべきだと思う。WUGを忘れない・忘れたくないという気持ちが、東北を想い続けることにもきっと繋がっていくはず。気仙沼に行って良かったと心底思った。
工事現場付近にはむすび丸がいた。かわいい。この数なら早坂さんもにっこり。
旧気仙沼向洋高校
震災の記憶を、当時の形で保存して伝承していくという施設。建て直すのはもちろんだが、取り壊すことにだってコストがかかるし、一方で保存するとなると莫大なお金が必要となる。こんな大きい校舎となるとそれはより一層のものだろう。
そんな伝承館は今年の3/10に開館したとのこと。この日は既に入館時間を終えていたので外から眺めるに留まった。
窓ガラスは無く、校舎には津波で流されてきたという冷凍工場との衝突跡がくっきりと残る。
館内には津波で流れたものもそのまま残されているようだった。ここにあるのは「事実」だった。ここは岬がすぐ側で、被害を大きく受けた場所なのだろう。旧校舎の周りはほとんどが更地だった。こうして残していく部分も気仙沼にはあった。
波路上岩井崎
先程の伝承館からすぐのところにあるのは三陸復興国立公園の岩井崎。海に近いからというのもある為か、相当な雪、というよりは硬めのひょうが吹き荒れていて非常に過酷な撮影となった…笑。
こちらも奥野さんが別動画でPRされている(動画6:45頃)。
龍の松。津波で枝や幹は折れてしまったが、残ったのが龍のような形からこのような名前が付けられている。この日は内陸側からの吹雪によって龍の体に雪模様が。
潮吹き岩。波が打ち付けられて高くまで打ち上がることからこの名前が付けられ、観光名所の一つになっているらしい。寒さに震えながらのベストショットが以上の写真です宜しくご査収ください。それにしてもどういう理屈で吹き上がっているのだろう。
石巻
サン・ファン館
(↑クリック/タップで再生)
『TUNAGO』のPV撮影地。もし何かの縁でここにたどり着いた方がいたら上に貼ったPVを是非ご視聴下さい。
かやよぴが幸せになった場所(わぐらぶ壁紙より)
2C終わりのかやたんソロパート。
胸のなかの器にいれるもの
この出会いが そのひとつだといいな
ライブでは歌詞を背にして歌う奥野さんが印象的であった。
7人がサビを歌う場所。この日は芝生に雪がうっすらと。TUNAGOが大好きだし、TUNAGOを歌った声優ユニットWake Up, Girls!が大好きだ。
サン・ファンパークからサン・ファン号を見ることができる。この地もこの船も津波で壊滅的な被害を受けて今の姿にまで戻っているらしい。サン・ファン号は修復の関係か、現在は近くで見ることができない。
友人(草ブレーダー)的には力作の一枚とのこと。
日和山公園
こちらもTUNAGOのPV撮影地。まゆみにゃかやが柵を背景に歌っているところですね。
暗く足元も悪かったので探すのにかなり手間取ってしまった。
ここに映る木ほとんどが桜のようだった。調べたら桜の名所でもあるようで、来月は一面綺麗な景色が広がっているのだろう。
いい感じの写真あるなと思ったら友人が置いた草ブレードが良い味出している為だったので笑った。ノスタルジックな感じを出すなよ。それにしても夜景が綺麗だった。暗くて大変な思いはしたが、この時間に行って良かったなとも思えた。
この公園は団地の中でも高地に位置している。他の方のブログで読んだが、津波の際に多くの方が避難しに集まったところでもあるらしい。そんな高台からは石巻を見渡すことができる。
8年前のあの日に私は何をしていたのかと振り返ると、寝起きだった。友人と遊んで茨城の自宅に朝方帰宅した私は、日中はずっと寝ていたのだが異常な揺れで起き、寝ぼけ眼に近くの棚を抑えるなどしていた。その日は電気も水も止まり、家族からの連絡を待つためにスマフォも極力触らないようにしていた。その日は毛布にくるまり寝たのだが、翌朝起きた時には電気が復旧していたし、家族の安否も取れたので安心した。しかしテレビが映した光景に言葉を失った。昨日東北で起きていたことが信じられなかった。パソコンをつけてYahoo!募金で2万円を募金した。金が無い学生だったのでほぼ全財産だった。だから俺偉いでしょ、と言いたいわけではなく、その時の自分はとにかく何かしたくて仕方がなかった、気が済まなかったのだった。そして今でもその想いはそこまで変わっていない。焦りこそ無くなったものの何かしたい、漠然とした気持ちがある。それは対象が東北じゃなくとも誰しもがある気持ちだと思う。しかしだからと言ってあの震災後、私が特段何ができたというものも無かったわけだが。
そうしていたら7年後に声優ユニットのWake Up, Girls!に出会った。東北の復興へ頑張っている、それが好きになったきっかけではない。震災起源の作品であることは元々知っていたしアニメも観ていた。その時の私もそれでは腰を上げなかった。しかし私はとあるきっかけでWUGを好きになり、声優ユニットとしてWUGのこれまでに触れていった。TUNAGOを聴いた。その時により一層彼女達を好きになれた。WUGを応援することに、WUGを通して東北に行くことに、自分の中にあった何かしたいという想いが繋げられるのではないかとも思った。
ただまぁ、結局私にできるのはたまに東北に行って美味しいものを食べて帰ってくるぐらいのものだろう。けどそれが東北の力になるというのはWUGちゃんが教えてくれた。そういった意味で、WUGに救われた。私はそう思っているのだ。
仙台
石巻から仙台へ。車を宿に置いて楽しみの夕飯へ。
餃子の天ぱり
念願です。私は飯テロ耐性は強いほうだけど、天ぱりだけは別だった。ラーメン+餃子+生ビールの3種の神器をTLに投下するワグナーにはほんと歯ぎしりしながら羨ましがって見ていた。それがこの日やっとありつけたので始めはなんか食べるのが勿体無く思ってしまったような気もしたけどすぐに食べた気もする。
ラーメンはこってり度は見た目通りですがしつこくなく美味しい。サービス盛り+50円で量も食べられるので良心的。餃子は流石店名に添えてるだけあってパリッパリの美味しさ。生ビールは生ビールなので美味しい。おつまみのこんにゃくはサービス。
店内の壁は一面WUG景色。ほとんどがワグナー提供のものなのだろうけど、SSAの緑銀テがあって笑った。写真に収めたり交換ノートに記入したり、こういった面でも満足した。
行儀の良いオタクなので「写真撮っても良いですか?」とひそひそと聴いたら「もちろんですよ」とひそひそ返してくれた店員の方が優しくて温かそうであった。帰る時も「来てくれてありがとうね」と丁寧な言葉を私達にかけてくれた。
勾当台公園
前回は仙台公演の時、昼間の勾当台公園に行くことができた。この日は夜の雪積もる中での聖地巡礼。ここでライブしたなんて想像できないし、そんな伝説級のライブに立ち会えた人、素直に羨ましいと思う。
定禅寺通り
雪で良い感じだった。
(↑クリック/タップで再生)
光のページェントは映像がすごく幻想的だし、夏の新緑や秋の紅葉の時期も写真を観てて良さそうに思えた。ヒガペーは勿論だけど違う時期に行った時は定禅寺通りにまた写真を撮りに行こうと思った。
仙壱屋
ラーメン屋→居酒屋というムーブ。
寄付金対象の「一ノ蔵」を飲むことができた。売上全額を一ノ蔵さんが東北の寄付金に充てているらしい。数量は限定のようだが、好きなものを飲んで、それが東北へ繋がるなんてこんな有り難いことはない。
M.C.N.
PVの撮影地でもある商店街を歩いてたら、意図せずM.C.N.を発見したので思わずテンションがあがるワグナーの私達。
ブログ用。 pic.twitter.com/zGgzS5doqO
— やましふ (@yamasif3) April 6, 2019
このイルミネーションの雫が落ちていく感じ、ライブの映像演出でもよく観られた。そこら辺はライブを通して考察できなかった部分でもあるんだけど、何か繋がりがあるのだろうか?ライブ会場の仙台サンプラザホールでもこのイルミネーションがあったと記憶している。
ということで一日目終了。濃い一日だった~。
2日目
仙台はこの日も雪。午後からは晴れの予報だったのでウインドブレーカーは車に置いて、この日は地下鉄移動で仙台を周った。
日立システムズホール
2日目はまず日立システムズホールへ。既に地元の方が何人もいて、ダンスや楽器の練習をしていた。来年に一時的に休館に入ってしまうとのことだが、7 Senses大好きマンの私としてはずっと行きたかった場所である。勿論タチアガレ!のPVや作中で何度も登場している舞台でもあるので、地下に降りていってステージが目に入った時は感動もした。
国際センター駅
7 Senses繋がりで\かやたーん/なカフェ。くそかわかやたんによってグリーンスムージが流行ったりもしましたね。前日私も気仙沼を歩きながら「かやたんを感じるんだ…」と久々にグリーンスムージーを飲みましたが、雪が降る中、体温も連れからの視線も冷えたものでいい感じに心が強くなりました。
青山さんが優雅に歩いていくポイント。同じ構図を捉えるのが難しかった。
屋外テラスは『雫の冠』PV撮影地。昼間に行くと大分雰囲気が違っていた。
(↑クリック/タップで再生)
ここのカフェは「青葉の風テラス」という名前だった。仙台はいたる所に「青葉」という文字が使われている。地名だから当然なわけだが、仙台市外の者からして見るとWUGみがあるなと感じてしまう。
榴岡公園
歩いて向かうと茂みの中からひょっこり顔を出すもんだから、見つけた時はドキドキした。
(↑クリック/タップで再生)
『7 Girls War』のPV撮影地。
行ってみないと分からないことというのは多分にあるものだけど、このステージの奥行きの無さがまさにそれで、こんなに狭い所で7人で踊っていたのかと驚いた。それがあんなSSAの大きいステージで…(突然のエモり)。
公園内には桜がいっぱい植えられていた。調べたら365本もあるとかなんとか。咲くのはまだだいぶ先のようだったが、相当に綺麗な景色だろうなと。行ってみたい。
予習にどうぞ。
仙台駅
いつの間にか仙台は快晴に。ありがたい。ペデストリアンデッキで写真を撮ったりして昼食を取りに行く。以下、仙台駅周辺のぶらり街歩き写真です。
「味の牛たん喜助」にて昼食。やっぱり仙台といえば牛タン。肉厚は正義なので、通常サイズではなく、「特切り厚焼き」の方を激オススメします。最高に美味しかった(*´ω`*)
他食べ歩き。「阿部蒲鉾店」ひょうたん揚げはかまぼこをカリカリ生地で包んだ軽いスイーツって感じで美味しかった。ずんだシェイクは初めて飲んだけど存外甘くて飲みやすかった。
ゲーマーズとイオンなどにも足を運んだ。お互いに感謝を伝え合っていて良い。
ワグナーガストと面接会場。
青葉神社
喫茶ビジュゥなどから徒歩圏にある青葉神社(この日は車で行ったが)。アニメでは無印1話での初詣シーンで使われた。
望洋台公園
「七人のアイドル」で真夢が松田さんと出会った場所。仙台市中心部からは大分離れており巡礼難易度は意外と高そう。
『大空のプリズム』を口ずさんだブランコも、松田さんがそれに見惚れていたベンチも健在であった。
という感じで聖地巡礼の宮城旅行でした。映像や写真で観た景色を自分の目で確かめに行くことに、聖地巡礼の意味がまずあると思います。一方で景色が様変わりしていることもあるでしょうが、そこにもまた意味があるわけです。復興の過程にいる東北を舞台としたWake Up, Girls!という作品にはまさにあてはまることだと思います。私はそれを今回強く実感しました。
声優ユニットのWUGは解散しましたが、「想いは変わらない」と彼女達の口から言ってくれました。私もその想いを汲んでこれからも東北の復興の小さくても一助になれたらなと思います。
かわっていくものたちと
かわらないもの うけとめる
そうね 輪廻
魂のようなものは続く(『雫の冠』より)
SSAの感想記事で、今更『ゆき模様 恋のもよう』の良さに気付いて聴き込んでいると書いた。こうした曲の良さや意味の理解って遅すぎたり間に合わなかったりなんてことはないんだなと、3月8日以降感じるようになった。色々なことを実感できたこの宮城旅行、行ってよかったと心底思う。以上。
*1:不確かな情報であることにご注意下さい