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好きなものの備忘。

「Wake Up」というコール - WUG愛知感想

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 Wake Up, Girls! FINAL TOUR - HOME - ~ PART Ⅲ KADODE ~愛知・一宮公演に2Days3公演で参戦したので感想を残します。

 

 WUG初の愛知。FANTASIAを思わせるような地に刺さった剣が良い。ドラゴンを倒し、剣を刺しマイクに持ち替え、勇気を胸にKADODEを歌う。んー良いっ!

 

以下、公演のネタバレを含んでいますのでご注意下さい。

7 Girls War

 愛知公演を語る上でこの曲は外せないでしょう。幕が上がり、目に飛び込んで来たのは7 Girls War衣装。1ヶ月前の大阪公演(→感想記事)の合間に観に行った衣装展でそれを観ていただけに、WUGちゃんが目の前で着ている!と興奮した。

 

 

 7 Girls Warのフォーメーションに付いたWUGちゃんだったが、とあることに気付いてしまったようで一旦待ったをかける。「…なんか良いね!」と言うのは青山さん。7GW衣装での7GW披露にエモーショナルなものを感じ取ったのか、写真を撮ってもらう自由さ。この記事の後半にも似たようなことを書いてるけど、何というか青山さんって客観視できているというかワグナー視点を欠かしてないという印象を持っている。グリフェスでの「私もワグナーだから」の言葉も信頼あるものであった。そういうこともあって、吉岡さんからのメッセージ「よっぴーがWUGのリーダーで良かった」にはほんと頷けますよね。そんな懐かしくレアな衣装に対して「皆観れて良かったね」と言った山下さんには笑ったがほんとそれなーという感じだった

 そして何と言ってもDメロのまゆよぴパート。およそ2ヶ月ぶりの「でもね一緒に流した涙ふぁー」に会場は大いに沸いた。待望だったものを絶好の環境で聴くことでき、それそれ!それなんだよなぁ…と熱くなった。KADODEに入ってから「ふぁー」を出し惜しんでいたのはここぞの為にと取って置いていたのだろうか。WUGのリーダーは最高だ。

 

 

■キャラソンメドレー(会場企画)

 「最初はこの曲!」というまゆしぃの言葉と共に『ハジマル』のイントロが流れる。愛知の会場企画はキャラソンシリーズのメドレーだった。推しのソロ曲についてのみ少し触れます。

 

(あーここでキャラソンか。3公演だからキャラソンの3シリーズを日替わりでやってくれるのか。今日はシリーズ1ということはかやたんはスキキライナイトを歌うのか。SSA前にやるということはSSAでキャラソンはやはり披露しないのだろう。少なくともWUGとしてのかやたんが歌う『スキキライナイト』は今日が最後か…)

 私の脳内はたんたんと連想したどり着いた事実(予想)に寂しさを覚えた。大宮公演のスキキライナイトが最後だと思っていたんだから、むしろこの時の感情は喜びだけ起こるべきだったのに。スキキライナイトだけじゃない、他のキャラソンもユニット曲も全員曲だって、実は「これが最後」だったのかもしれない。だけど、いやだからこそ、悔いは残したくはない。そんな思いで「かーやーがーすーきー!」は全力の声が出せた。むしろ出しすぎたようで、コールした後思わず通路へよろけてしまった。後ろの人には何やってんだこいつと笑われていたろうな。寂しさはある。が、悔いは無い。

 2日目昼は『Into The Light』。個人的にはこの曲は奥野さんの早口Dメロが魅力的なのだが今回はメドレー形式なので聞けずじまいなのは仕方無し。

Come on, Into The Light
失うことに 慣れるときはこないからさ
後悔はするもんか 裸足で歩いたこの軌跡

 今だとより一層グッとくる歌詞なだけに奥野さんも想いを込めて歌っていてくれたのだろう。生で聴くのは初めてだったが、聴けて良かったと心底思った。そして夜は『プライド』が披露された。「Don't worry! Right on! Right on!」で始まる冒頭部分は奥野さんが皆と一緒に歌いたいと言っていた箇所。イヤモニをずらして会場の声を拾おうとしている奥野さんに歌声を届けることができたので満足だった。

 

 

■さようならのパレード

 基本的に解散や引退の発表から残された日というものは長くない。その点最期を持っているWUGのファンは余りにも恵まれていた。メンバーの地元凱旋含めた33公演に、ラストは大舞台SSAでの単独。今年の夏から始まったのにもう片手で数えられるほどしか残ってない。逆に言えば、WUGと共に走ってきた公演数はおよそ30もある。しかしそれでも実感するのはいくらライブを重ねようと寂しさが薄まるわけではないということ。それどころかその逆だった。会う度に新しい魅力を見せてくれる彼女達に、その魅力に触れる度に、もっと見ていたい、一緒にいたいと思う気持ちは強まる一方だった。

 

(画像をクリック/タップで動画再生)
 

 約束の時が近づくにつれてそんな感情が起こる中、Wake Up, Girls!の最後の曲が初披露された。「さようならのパレード」。寂しさを感じそうな題だが、聴いてみればそれは、今の私達に寄り添ってくれるような優しい歌だった。特に「さようならは嫌だよ なれることなんてない」という歌詞には今だからこそ強く実感できる。しかしそこに続くのは「だけど」。私達の想いに共感の言葉をかけ、そして優しく背中を押してくれる。

 タチアガレ!をなぞったイントロに既にウルッとくるのだが、なんと言ってもダンスの振付だろう。タチアガレ!や7GWに少女交響曲、BtB…いろいろなWUG曲の振付が存分に盛り込まれた5分半にWUGちゃんのこれまでが詰まっている。そして別の曲を観ている時に「あ、あの振付はここのだったんだな」と分かり、そこでもまたグッとくる。

 印象的だったのは昼公演、曲の終わりごろに1人ずつ会場に向かって一礼をしていくWUGちゃん。最初に礼を終えた青山さんが振り返って、続くWUGちゃん達に拍手を送っていた。そんな彼女は背を向け、こちらを見ることはない。あの時の青山さんはWake Up, Girls!青山吉能としてだけてはなく、ひとりのワグナーとしての青山吉能でもあったのだろう。愛知公演でのMCで「私達もWUGのライブ観たい!」と言っていたWUGちゃん。それは叶わないことではあるのだが、もしそのIFが叶うのであれば、あの時の青山さんのようにひとりのワグナーとしてWUGちゃんに暖かい声援や拍手を送っていたことだろう。


 曲の最後には歌詞には載ってない「Wake Up」がある。昼公演はWUGちゃんの温かい声が私たちに届けられ、夜公演は奥野さんが「みんな一緒に!」と声をかけてくれたので会場全体が「Wake Up」に包まれた。ここではこの「Wake Up」について2点で触れていきたい。

 

 ひとつは「Wake Up!」であるという点。この曲がタチアガレ!のメロディを意識した粋な作りであることから、この言葉がサビの「Wake Up!」との対比であると捉えることもできるであろう。かつては必死に力強く歌ったものも、今では温かく優しく言葉にできる。そこから感じられるのは過去の肯定、成長した現在、そして未来を向く強さ。楽しいことも辛いこともたくさん経験した彼女達だからこそ、どんな物事も包み込んでくれるような優しい歌声を聴かせてくれる。

 

 そしてもう一つは「Wake Up, 」であるという点。HOMEツアーPartⅠの「Start It Up, 」があった。「,」に続くのはWUGちゃん達"Girls"だけではなく、私達ワグナーも含まれていた為、私達は"Wake Up, Girls!"の約束の地、約束の時へ走り出すことが出来たのだった。

 一方でのさようならのパレードの「Wake Up」について。歌詞が無いので分からないが、いや歌詞が無いからこそなのだが、私には「Wake Up」だけではなく「Wake Up, 」の意味もあるのではないかと思えてしまう。現実世界に生きる7人がこれからへの一歩を踏み出すように、私達も一歩を踏み出していかないといけない。ゆえにそれが"Girls"が続くのではなく、「Wake Up, 」である意味なのだ。

 それだけに最期の「Wake Up」とはWUGちゃんと共に私達も口にすることに大きな意味があることだと思える。そして、それを「みんな一緒に!」と促してくれたWUGちゃん。私達が彼女達のKADODEを応援する一方で、彼女達もまた私達のこれからに想いを持ってくれている。こんなに嬉しいことはない。

 それにしてもこの歌詞にない「Wake Up,」、ひとつのコールであるとも言えないだろうか。タチアガレ!や少女交響曲でこれから始動・再起しようとするWUGちゃんに向けられる「Wake Up, Girls!」というコールはこのコンテンツを象徴するコールだ。そんな「Wake Up, Girls!」と「Wake  Up,」の2つのコールは対になっているのではないかと思える。これまでワグナーがWUGちゃんに送ってきた言葉を、最後にWUGちゃんとワグナーが相互に送り合う。そんなWUGちゃんからの最初で最後のコール。歌詞に載ってないというところがまさにコールらしい。そんなWUGちゃんはタチアガレ!の最初のフォーメーションに着いて、この曲を終える。WUGコールをして最初の立ち位置に行くとはまるでライブを逆再生しているようだ。しかしそれは始まりに戻ったことを意味してはいない。ここからまた始まるのだ。

 


 作曲者の神崎さんが「この曲を完成させるのは彼女達」と言ったがまさしくその通りで、たくさんの想いに富んだ一曲となっていた。私的には「さよなら」でなく「さようなら」にしているのが好き。少女交響曲のように「さよなら」だと寂しさ・悲しさが強まってしまうが、「さようなら」は「う」をしっかり発音しなくてはいけない分、ゆっくり口にすることになり、どこか温かさを感じられるものになる。

 

 笑ったり泣いたり、たくさんの感情に溢れた愛知・一宮公演だった。タチアガレ!のまゆしぃの「叫べええええええ!!!」という煽りと、それに応えて会場に響き渡る「タチアガレ!」、ここにきてもまだまだ熱量の更新を感じる。そんな熱量に対して「ぶつかってきて、最高に気持ちよかった」と言い、最後のMCでは「この7人で良かった」という言葉で締めた。こんなに最後の最後まで駆け上がっていくユニットなんて他にいるだろうか。Wake Up, Girls!のライブはほんとすごい。そして次はツアー大千秋楽・仙台。今の私はというと楽しみが寂しさを上回っている。最後まで楽しみ、想いを伝えていきたい。以上です。

 

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