新条アカネを救いたい。
SSSS.GRIDMAN9話「夢・想」感想。ネタバレ有り。
- 目を覚ませば誰かの口ずさむ「believe」が聞こえ、記憶が無くて自分が誰なのかも分からない。そんな1話と同じ流れをなぞっていった9話だったが、違かったのは横で看ていてくれたのが六花ではなくアカネであったこと。元々でさえ創られた世界なのにさらにアカネの創る夢の世界に放り込まれた3人はそれぞれでアカネと対峙することに。
- 1話と同じ流れなのに何かが違う。そんなズレ、そして違和感が積み重なった末に真相にたどり着く様子にゾクゾクした。バスの降車ボタンとかもあって、本作にまどマギ叛逆を想起してるのは自分だけじゃないと思う。CV.上田麗奈的にはCaligulaと<harmony/>も。
■3人との夢
裕太と内海と六花、三者三様に夢を見るが、それはいつか覚めるものという意味での夢であった。対してアカネが3人と見た夢はいつかありつきたいという意味での夢であった。裕太と恋をして、内海と怪獣の話をして、六花と特別な関係("親友"では表現不足な可能性があるので暫定表現で)でいたい。そんな世界をアカネは望んでいたのだろうか。しかし想いは3人には届かなかった。
裕太「これは夢だ。」
アカネ『ずっと夢ならいいって思わない?』
裕太「夢だから目覚めるんだよ。皆同じ。それは新条さんも。」
アカネ『私はずっと夢を見ていたいんだ。』
裕太「俺はそっちには行けない。」
内海「これは夢だ。だって俺の友達がいない。」
アカネ『私は?友達じゃないの?』
内海「もし俺と新条さんが本当にこういう形で出会えていたなら友達だったのかもしれない。」
六花「これ、夢だったんだね。」
アカネ『夢でもいいじゃん。一緒に行こうよ、このまま。』
六花「私は行けない。」
9話のアカネは心の底から楽しんでいる表情を、これまで見せたことない表情をいくつも見せてくれた。
裕太の横で見せるからかい上手の笑顔、内海の横で趣味話に没頭する時の笑顔、六花の横で年相応のノリにはしゃぐ笑顔。三者三様の夢を見させて、三者と三様に夢を見た。それでも、待っていたのは3人から同じ言葉で突き放される夢の終わりだった。アカネの気持ちを想うとただただ辛い。
■使命とは
放映前のPVから使われていた「思い出してくれ、君の使命を!」というグリッドマンの台詞。記憶喪失で自分の使命を思い出せず、そして今の自分を省みても、自分のやるべきことに思い悩む裕太がいた。
俺のするべきこと、俺にしかできないことをやった。
グリッドマンと一緒に。でも…。(2話)
その後も何かを掴みかけてはいるようだが、はっきりと方向が定まっていなかった裕太。また8話では内海と六花が方向性の違いでぶつかり合った。アカネの犯行声明に対して、協力して倒そうと言う内海とそれを良く思わない六花。
そんなバラバラだった3人がやっとひとつにまとまった9話。
俺達には、俺達にしかできないことが、やるべきことがある!
そうだろ、グリッドマン!!
走り出してこう叫ぶんもんだから激アツです。
裕太と内海、六花の3人は目的が定まり、同じ方向へ進んでいく。一方で一人だけ方向が逆のアカネ。一見進んでいるようにも見えるが、背景に映るのが動く電車なこともあって、アカネには進んでいるように思えても、実際は一歩も進めていない、または進む気が無いのかもしれない。
あくまで推測だけど、この表現にアカネの内心が映されているのかなと思った。9話で疑問だったのが「なぜアカネは裕太といる時に、わざわざ問川の家の前を通ったり、問川の墓がある墓地に行ったりしたのだろう?」と。内海や六花が夢から覚めるきっかけだったのはアカネのアプローチミス、上田さんが言うところの"コミュニケーションが苦手"なところにあったのだろう。ただ裕太に対しては、気付くのは時間の問題だったにせよ、もっと夢から覚まさせないよう丁寧に扱えたんじゃないかと思った。それだけにあえてアカネがそうした、そうしてしまったという可能性も感じずにはいられない。口では「夢を見ていたい」と言っても、無意識の内には「夢から連れ出して欲しい」という想いがあり、そんなアカネからのS.O.Sだったのだと。
創造主としての力を与えられても、創り出した世界はアカネの思い通りにはいかない。友達や恋人として創ったはずの人間とそうなれず、怪獣も指示通りに動かず、一見肯定してくれるような存在にも不信感が芽生えてきた。そして飛び降りても死ねない世界でもあるのもしれない。その末に吐露した「どうしたらいいの…?」。そんなアカネを見て私達は、新条アカネを救いたい、そう思うわけです。
墓地で裕太はこんなことを言っていた。
裕太「やらなくちゃいけないことがある気がするんだ。」
アカネ『それって私より大事なこと?』
裕「いや、アカネにとって大事なこと。
俺にしか出来ない、俺のやるべきこと。」
その後、裕太の"俺のやるべきこと"は3人が集ったことで"俺達のやるべきこと"になった。そしてそれがアカネにとって大事なことなのだと思うとグッとくるものがある。
■グリッドマンコラボカフェ
に行ってきた。ほとんど売り切れてしまっていたのでドリンクだけでも六アカを尊むなどしました。今月はBlu-rayもそうだけど、エモエモのエモさが漂うキャラソンが発売するのでとても楽しみですね。以上。