Caligula-カリギュラ- 6話 感想
アニメCaligula-カリギュラ- 6話「前向きなだけが前進とは言えない。状況を知ることも大切な一歩だ。」感想。アニメのネタバレ有。
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ついに覚醒した帰宅部と迎え撃つ楽士達。笑顔が消えたμとそれを見て決心する主人公の律。推しアニメはできる限り応援も兼ねて実況しながら観ることにしているが、今回ばかりは見入ってしまい、実況する手も止まり。
■カタルシスエフェクト
前半Aパートでは場面の切り替えが頻繁に行われるものの、台詞が繋がっていて(律「今は逃げるんだ」→場面切り替え→カギP「逃しませんよ!」等)、場所は違えど同じ時間に起きていることが分かる緊迫感。そしてラストでは帰宅部が一堂に会し、覚醒(カタルシスエフェクト)した。
この台詞続きの場面切り替え、1話でも見られた。脚本は1話と6話で同じ待田堂子氏。シリーズ構成も務める待田さん自らが筆を執った始まりの1話と転機の6話、力の入れ具合を十分に感じられる回であった。
ちなみにの6話を観た後に1話をあらめて観ることをお勧めします。律の講釈も、例えばノーザンパイク(水槽の魚としきり、思い込みの心理学)のくだりと今回の割れた水槽から飛び出た魚など、今思えば「なるほど!」と思うものがあるかもしれません。
これまでのように各話でひとり(1組)ずつ攻略されていくのかと思っていたが、美笛や鈴奈、鳴子に維弦、鼓太郎までもが一斉に覚醒したので驚いた。そこから楽士達と戦う様はまるで最終回の王道。
帰宅部面々の負のわだかまりを放出するかの叫びは凄かった…。アフレコブースも声優さん達の放つただならぬパワーに溢れていたことであろう。
しかし、そんな負から正へのカタルシスを得る者達がいた一方で、逆に抱え込んだ負を抑えきれなくなっていたのはメビウスの創造主μ(CV.上田麗奈)。
■μ
冒頭アバンのソーンとのやり取りで、約束を守ると言うソーンに笑顔を向けるμ。守りたいこの笑顔。そしてまばゆいメビウスを見渡し、歌うは「レネット」。この曲はデジヘッド化が主のようだが、次いで歌った「juːˈtoʊpiə(ユートピア)」という曲はバトル用の立ち位置だろうか?…最初はレネットのアレンジかと思ったが(いやそうではあるのだが)、歌詞も変えているようでリリース時に詳しく確認したいところ(2018/6/6発売)。
そしてAパート終わりで映すは、アバンとは真逆の暗くどんよりとしたメビウスと失意のμの姿。2話でμはこう言っていた。
"私はただ…皆を幸せにしてあげたいだけなのに…"
μの良かれと思ってした行動を理解しない帰宅部、そこに協力するかつての同士アリア、約束を反故にする周囲の楽士達。これまで悩める者達を包み込んできたμにも限界が訪れる。
ただのボーカルソフトの様に機械的な「なんで…なんで…なんで…」があり、そして続く4回目の「なんで!」に感情が入る。
鳥肌が立ったところでCaligulaロゴのアイキャッチ。CMが流れる間「コレコレ!これぞ"上田麗奈"なんだよなぁ~!!」となっていた。が、Bパート、μちゃんも上田麗奈さんもこんなものじゃなかった…。
■式島律とμ
カタルシスエフェクトで自身の負の感情を己の力に変えていく面々を見て律は自問する。皆が現実の記憶を取り戻す中で自分だけそれができない。しかし彼らと同じ様な辛い何かが自分にもあったはずなのに思い出せない。式島律が存在していた世界とは?式島律とは何者なのか?
答えが出せない律は何もすることができない。そこに現れたのがμ。もうここらへんから画面に釘付けで、μの想いをぶちまける様とそれを演じる上田麗奈さんに心を持ってかれてしまっていた。
まさかのアカペラで登場したμ。この曲はクレジットから見るに「Tír na nÓg(ティルナノーグ)」だろうか。ユートピアは理想郷だが、このティルナノーグというのは常若の国であるとのこと。
"なんで…なんでこんなことしてるの?
この世界の何がいけないの?
それに…楽士の皆にもひどいことしないでってお願いしたでしょ?
誰も、誰も私の言うこと全然聴いてくれない!
うるさい!
うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい!
皆の想い、皆の幸せ
私なら全部叶えてあげられるのに…"
続けてリズムに乗せた「叶えてあげるから私に教えて」は曲に繋げたのだろうか。ここまで負の感情をぶちまけながらも、続けて歌った曲は皆の幸せを望むもの。μは限りなく良い子なんだなと思った。泣けた。
ここの上田麗奈さんの演技本当に圧巻でした。切なく悲しい感情を露わにして、ただただ怖い。
創造主はたちまち破壊神と成り果てた。今まで必死に抑え込んでいた皆の負の感情が溢れてきてしまい、力がコントロールできなくなってしまった(アリア談)。そんなμを見て、式島律は意を決す。
自身の力だけでカタルシスエフェクトを発動した律はμを抑え込む。他の帰宅部員は現実の負の感情の気付きと、それでも「帰りたい」という思いをアリアの助けで力に変えていた様だが、律もまた自身の存在理由を明確にしカタルシスエフェクトに至る。詳しい原理は知らない。
μをも抑え込める律の潜在的強さ、μの口から出た「バカ…律のバカ…」から見るに、式島律とμは特別な関係の様だ。EDクレジット表記、1~4話までは律とμがくっつき、1行空けて笙悟の名前だったが、6話で初めて律とμが離れる(5話はμの出番無し)。意味があるのかは分からないけど、気になった。
数日後にPS4ゲーム「カリギュラOD」の発売を控えた中での6話。ここから先はゲームと関係無い式島律の物語が描かれるというのがゲーム未プレイの身としては有り難い。ゲームはゲームで主人公として楽しみ、アニメはアニメで律が何者たるかを見ていきたい。
■他
- 美笛の母親(能登さん)は別で存在しているんですね。で新・美笛の母親(川澄さん)は本来の美笛の家にいるんだろうから、μは単にそれっぽい母親をべっこから持ってきて交換しただけなのか。ポンコツすぎるよぉ…><。このシーンでレネット流れて、デジヘッドマンが奥から出てきたのは、この旧・美笛の母親が今は彼らの母親をやっているからなんだろうな。デジヘッドマンよ、それでいいんか…?ちなみにお二方のEDクレジットの出し方はどちらも"美笛の母親"で並んでいるのは私的面白ポイント。
本当は隔週更新にしようと思ってたけど6話が最高に好みだったので更新しました。長くなってしまった。以上です。