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好きなものの備忘。

Caligula-カリギュラ- 4話 5話 感想

アニメCaligula-カリギュラ-

4話「自分の存在を認めない人間は、他人からも尊敬されない。」、

5話「誰でも傷つくことはある。だが、傷ついていることに気付かない者は癒やされない。

の感想。アニメのネタバレ有

 

前 → 3話感想 

次 → 6話感想

 

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いったい、何が起きている…?

 それなー!(デジャブ) 

 

 

■4話①メビウスとμ、楽士

 

 主人公の律はアリア・笙悟と落ち合い、この世界「メビウス」についての説明を受ける。メビウスはμの曲を聴いた者達の幸せから成り立っていると言い、そんなμのファンに対してμも望むモノを与えたり、世界を構築したりしている。要は両者がWin-Winな関係に見えるわけだが、一方で律の様に違和感を覚えてしまう者が出てくる。そういった問題が起こるのもμが世界の創造主としては不完全だからだろう。美笛のお母さん交換とかが良い例か。

 そんなμのある種アンチに対して、楽士達ファンは洗脳を施し世界に再度順応させようとしてくる。前回の美笛に対するスイートPの様に。理想の姿・世界があるメビウスは楽士達にとっても心地良い環境なのだろう。

 

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どうしてみんなこの世界が気に入らないんだろう…?

 アイドルは物語と言った人がいる。アイドルは不完全だからこそ魅力がある、目標を追いかけるその姿に魅了される、と思っている。μはポンコツカラオケウーマンだからこそかわいいのだ。しかしだからこそ違和感を覚える者が出てくる。偶像と創造主は両立し得ないのかもしれない。

 

 

■4話②神楽鈴奈と少年ドール

 

 4話、鈴奈の叫びと歌声、誘い…そしてそれに対する少年ドール。前回は美笛とスイートPのぶつかり合いで、コミカルにも感じられるものだったが、今回の日陰者同士の静かなやり取りは切なく感じられた。とても良い話だったと思う。

 

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一緒に食べませんか…?

 挿入歌は「独創性インシデント」、作曲は「忘却アリス」「ガラクタ少女」等で知られるPolyphonic Branch氏。楽士の少年ドールが作った歌をμが歌っているわけだが、この独創性インシデントの歌詞は少年ドールの想いを映しており、とても切ない。

 1番2番では「見ないで見ないで」「離して離して」と他者への拒絶を歌うも、Dメロ「ふとした瞬間に のぞく感情は 何を望む 忘れたはずなのに」からの、ラスサビで「見つけて見つけて」としている。

  孤独を楽なものとして好んでいる少年ドールも、内心では分かり合える相手を探していた。そこに現れた鈴奈。洗脳させないといけない楽士としての思いに加えて、分かり合いたいという純粋な思いがあったのだろう。

 そんな少年ドールの想いに触れ、自分の本心に正直になった鈴奈はお弁当の誘いという一歩を踏み出す。少年ドールは似た者の成長に嬉しく思う反面、その誘いに応えられない楽士としての立場をもどかしく思ったり、同じく一歩踏み出せない自分を悲しんだりしたのだろうか。楽士名を名乗り退いたのは立場が違うことを明示した別れの言葉。切ない。

 

 ちなみに田中美海(神楽鈴奈)と花守ゆみり(少年ドール)は「灼熱の卓球娘」のW主人公の組み合わせ。世界卓球に白熱した今、本作とは違った熱い2人のやり取りを観ることができ、かなり面白いアニメなので合わせておススメです。

 

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聴きます?

 好きなシーン。鈴奈は左耳のイヤホンを渡すが、少年ドールは右耳に押さえて聴く。イチャつく恋人同士なら鈴奈側は"狙って"左耳側を渡し、男性はそれを"狙って"左耳に付けて互いが密着する。もちろんこの2人ではそんなことにはならず、意識しない鈴奈と意識した(様な)少年ドールを微笑ましく観ることができる、何度も見返したいシーン。

 

 4話が好きだったので雑感のくせに長めになってしまった。それにしても割り込んできて正論ぶつけるだけの律くん。良いとこなしな主人公がかわいくなってきました( ´ ▽ ` )

 

 

■5話①柏葉琴乃とミレイ

 

 ほぼギャグテイストな雰囲気だったが、琴乃がカタルシスエフェクトに至ったり、その裏で笙悟が何かに失敗していたり、美笛・鳴子が美笛母と対面していたりと重要そうな展開もあった。

 

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自信満々な女の人を凹ませるのってちょっと面白そう

 柏葉琴乃、清純派かと思いきや中々腹の据わったキャラでかっこいい。突然優勝したかの様にスピーチを始めれば、友人とファンへの感謝に続けて「なによりも私自身のたぐいまれなる美貌と幸運に~」と言えるのは慢心ではない、確信が自分に対してあってこそかと思った。自信満々じゃん。

 で最終的には母性を見せた(と捉えられた)琴乃が圧勝。ミレイは4話登場シーンで既に噛ませ感が強かったからね、仕方ないね。ただ退場したわけではなさそうなので(今回少年ドールの姿確認できたし)また今後の活躍があることでしょう。

 

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カタルシスエフェクト

 現実世界が絶望であろうと奈落であろうと地獄であろうとも、そこに帰りたいと言い放ち、カタルシスエフェクトが発動する。「たっくん」は現実世界の恋人だろうか(子どもと言う感想も見かける)。ウジウジした律に手をあげようとするも、誰かを重ねて思い出したかの様に抱擁する。暴力をふるった後に人が変わった様に優しく接するのはDVの典型例。琴乃はDVをする方だった様だが、彼女もまた心が病んでいたのだろう。

 昨今のセクハラ・パワハラ等々の炎上案件がまさにそうなのだけど、外野が騒ぐのではなく「受けた方がどう感じ取たか・どうしたいか」に重点を置いた議論になっていないからどうしようもないニュースが続くのだと思う。今話は極端な例ではあるが、暴力を暴力と感じる人もいれば、それをご褒美と感じる人もいる。

 そういった点で、今回DV問題を抱える琴乃に対峙したのがSM女王ミレイだったのは面白いと思った。そんなミレイらしさ溢れた挿入歌は「Sadistic Queen」という曲で「私を愛しなさい それがこの世の運命」と歌う。作曲は蝶々P、ピアノが印象的なボカロPで、「はちみつハニー」や「クランベリー」が私的好み。

 

 

■5話②他

  • ミレイの「でもあくまで本人達は自由に恋愛を楽しんでいる」はなんとかランドの理論ですね。下品なとこがちょいちょい「18if」みを感じますね笑。毎回脚本家バラバラだし。
  • ボートの上で律がまた女の子相手につまらない話をしていて笑った。ただ自分も同じことをして大学の時彼女に愛想を尽かされた経験があるので律を観ているのはちょいと辛い。
  • コメディとシリアスな回は交互だったりするのかな。今回対決シーン以外は作画緩かった様に思う笑。鼓太郎が洗脳現場を覗くシーン、開き戸は内開きなのか外開きなのか。
  • μの「レネット」が流れて、続々とデジヘット化。μちゃん成分不足な5話だったので救われました。次が気になりますね。

以上。

 

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