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好きなものの備忘。

さよならの朝に約束の花をかざろう 感想

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 待ち望んだ「さよ朝」こと「さよならの朝に約束の花をかざろう」が公開されたので観に行ってきた。ほんの少しだけど感想を。

 

  制作はP.A.WORKS。映像美が印象的かもだけど、あたたかい作品を作ってくれるので一番好きな制作会社です。そんなPAがマリー(岡田麿里さん)を初監督に据えて劇場版のオリアニをやるってもんだからとても楽しみにしていた。しかもファンタジー。この組み合わせ、アニメファンならどんなもんや気分で観ても良いと思う。

 

 内容はとても良くて、後半からは泣いてばかりな素敵な作品に仕上がっていた。隣の女性なんかすげー泣いてて大変そうだったw あらかじめ「泣ける!」と言われると予防線張ってしまう自分だけどこれは泣ける。劇場で泣いたのなんていつ以来だろ…と思い返してみると先月の中二病で泣いてた。いつも泣いてんなこいつ。

 

 多くの時間とお金を使って出来上がった本気の作品が多くの人に観られて欲しいですし、そしてそれがまた次の作品へと繋がればいいなと願っています。そしてやはり、PA作品は最高。続きへ。

 

 以下、若干ネタバレ有り

 

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 映画中盤で兵士となったラングがマキアを誘うシーン。「身を追われているので里に戻らないか?」という提案、そして「今後のこと」について考えて欲しいと言うラングに対するマキアが印象的だった。ラングからの誘いを一瞬喜んだかの様に手はピクリとしたが、もう片方の手がそれを制するかのように覆う。迷惑をかけるという不安は勿論だが、いつか必ず来る別れの辛さを恐れる、そんなマキナの中で混在する感情がよく表れていて好きなシーン。

 そんなマキナが「愛して良かった」と言えるまでに至ったのでラストはまた刺さるわけです。別れは悲しいだけじゃないと分かった別れの一族、彼らのこれからを写したラストカットもまた良きなりでした。

 

 そして見た目は変わらないが歳はとるというマキアを演じた石見舞菜香さん、そんなマキアと一緒にいながらも見た目は変わる(普通)エリアルを演じた入野自由さん、とても良かったですね。特にマキアはこの2時間で7~80も歳をとったわけなのに序盤からラストまでの演技、かなりの納得性あるもの。

 

 マリーでググれば"ドロドロ"とサジェストされるぐらい、作風が印象的。そんなドロドロとした人間模様を描くのは人の欲を素直に描きたいという思いがあり、そのぶつかり合いの結果なんじゃないかと思っている。

 さよ朝でビックリするのが時系列の切り替えを思い切ってジャンプさせる点。赤ん坊だったエリアルがすぐ少年になり、いつの間にか青年になり、…と観てる側も一瞬戸惑う。けど無理のない構成がうまくて、その行間の理解はスーッとはいってくる。

 ココらへんの話は岡田監督がパンフのインタビューで「やりたいことだった」と言っている。この点に限らず、マリーのやりたいことが詰まっているんだろう。ファンタジーだから現実的という枷も無い。

 海に向かうマキアに対してエリアルが泣きながら放つ一言。あんなの言う前から台詞が分かるわけなんですよね。でも実際にそれを言うエリアルを観てやっぱり泣いてしまう。この素直とも言えるまっすぐな感動は刺さる刺さらないあると思うけど、さよ朝は自分にぶっ刺さった。入野さんがパンフで言っていたクサさはマリー評としては的確だなと思いました。

 

 rionosさんの曲も素晴らしかった。クジ砂の「ハシタイロ」とは印象が違い、歌声をマキアかと間違えてしまいそうなほどだった。寄せて歌ったのか、イメージに合った抜擢だったのか分からないが、作品にとても合っていたことは間違いない。

 マナーの話ではないが、自分の劇場は誰も席を立つことなく最後まで聴き入っていて印象的だった(劇場アニメにありがちなCパート期待もあるだろうけど)。もっとあの雰囲気に浸っていたいなと思わせるものだったし、またもう一度浸りたいと思わせるものでもあったと思う。また観に行きたいですね。以上。

 

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